オスロの子供たち

あくまで、私には子供がいないので、外から見た範囲の話になります。

こちらに来てから早いもので1か月が経とうとしています。これまで、東京のように子供に対して怒鳴ったりしかりつけている場面に遭遇したことがありません。単に人口が少ないから確率が低いのかはわかりませんが、社会が母親に優しいのではないかなと思います。

待機児童はなく、お父さんも育児休暇を取るのが当たり前。子供の迎えや料理も担当する。要は、ワンオペ育児にならない。仕事よりプライベートを重視するのが当たり前なので、男性が育休をとることになんのプレッシャーもありません。

電車の中や公共の場所でも、もともと他人に多大な迷惑をかけなければ好きにしていいという風潮なので、子供が大声出したり、電車のポールをよじ登っても、吊革にぶら下がって遊び始めても、親も特に激しく叱ったりしませんし、周りの人たちも、子供ってそういうもんだよね、という雰囲気。また、ノルウェーでは子供への体罰は親であっても犯罪にあたるそうです。

 

また、学校でも期末テストのようなものがなく、個性を尊重して伸ばすような教育をしているとききました。時折、不良っぽい若い男女を見かけますが、本当にたまに、ですね。子育てには良い環境のようです。

オスロ大学のラボ

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オスロ大学のラボ生活

現在のラボでは、常駐している人でいうと、教授1名、事務方1名、ポスドクが4名、修士卒の補佐員さんが2名、博士課程の学生1名、修士の学生1名という感じ。朝8時ー9時ごろ来て、16:00-17:00くらいに帰ります。18-19時くらいまで残る人も稀にいる。朝来るとみんなにおはよう、と挨拶するんですが、「Hi!」よりも「Hi、Hi!(ハイハイ)」と明るく2回言うのがノルウェー風。日本で「ハイハイ」というとちょっと失礼になっちゃいますよね。脱線次いでに、ノルウェー独自の口癖として「そうそう」という感じの肯定を表すときに「ん~ん」って割と高めの音程をつけていいます。主に女の人かな。かわいい。早速私もうつって短めに「ん~ん」って言ってます。今度会ったときに言ってたら、染まってら、と思って笑ってください。

週初めの月曜日はミーティングの日。Lunch seminarがあり、誰かしら発表するのをご飯食べながら聞きます。また、フルーツの日でもあります。どういう仕組みなのか謎なんですが、毎週月曜日、写真のように籠いっぱいのフルーツが無料で供給されます。

事務方の人は、日本でいうとラボマネージャー兼秘書的な感じでしょうか。男性ですが、日本でいうところの秘書さんとは大分違う印象です。ポジション名もアドミニストレーター。研究のことは全然知らないけど、発注システムを作ったり、書類準備してくれたり、研究が円滑に進むようにいろいろしています。結構良いポジションのようです。事務的なことでわからないことは全部彼に聞け、といわれました。外から電話かかってきたときに対応したりはありません。(お?今気づきましたが、うちのラボには外と通じる電話がなく、みんな携帯でしゃべったり、スカイプしたりですね。)

大きな違いといえば、博士課程の学生です。日本では博士課程の学生は学生であり、学割などの特典が適用されますが、こちらでは給料をもらって働く社会人とみなされます。したがってphDになるのに倍率が非常に高いそうです(きっといいお給料もらえるんでしょう)。また、日本では博士課程は3年間がスタンダートですが、こちらは4年間。最後の1年間は教育に充てるのだと聞きました。なるほど、博士とってアカデミアに残る人には誰かを教育する能力が必須になるのでそれをこの時点で養うんですね。日本では教育って何、みたいな性格に難ありの教授が結構な割合でいますが、そういうことにならないようにということなのかなぁ。(毒舌すんません)

あと、補佐員さんも発表したりするのが違うかな。学会発表とかはありませんが、内輪な会では発表します。また、完全裁量労働制のようで、土日も細胞の世話で出勤されます。

お昼は、学食で買う人、持ってくる人半々くらいでしょうか。ラボに付属のキッチンに大量にお皿、コップ、カトラリーがあり、冷蔵庫もあり、ディッシュウォッシャーもあり、コーヒーメーカーもあり、電子レンジもあります。なので、ノルウェー人の典型的なランチは、パンを数枚持ってきて、冷蔵庫にお気にいりのディップソースやジャム、パテを入れておいて、その場で広げて食べる。私もマヨネーズに海老やら野菜がいろいろ入っているのを持って行ってます。

あと、打ち合わせの時間を決めないことが多くて慣れない!例えば、明日打ち合わせしよう、とか来週の火曜日時間あるから打ち合わせしよう、ということになると、日本人な私は、「えっと何時から❓」と聞くんですが、「明日の午前は時間あるからそんな感じで」と。時間決めない。私はgoogleカレンダーに記入する癖があるので、書きにくいんだけどそれ、、とちょっと困ってますが、そのうちスタイルを変えて適用していくんだろうなぁ。

その他

オスロ大学だけかもしれませんが、トイレ/bathroomの概念が違う気がします。日本だと会社とか大学のトイレというと、個室が数個あり、手洗い場所が別個あり、というのが標準かと思いますが、こちらでは、個室に手洗い所がセットになっている。要は、洗面台ごと鍵がかけれるようになっている。ユニットバス的な感覚なのかしら。

 

 

オスロ内の交通手段

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オスロ市内は電車、トラム、バスが発達しており、車がなくても十分に生活できます。

全ての公共交通機関で料金はエリアごとに決まっており、オスロ市内はzone 1です。パスモのような共通のカードにチャージしておき、乗るときに駅でタッチすると料金がひかれます。降りるときは何もしなくてもOK. 別にタッチしなくても乗れちゃいますが、抜き打ちの検査があり、その時に有効なチケットを持っていないと罰金となります。いちいちチャージするのが面倒なので、通学や通勤に必要な人は、一定期間同エリア内で乗り放題のパスをスマホのアプリで所持しています。

それ以外に街中で見かけて驚いたのが、レンタサイクルと、写真のレンタル電動キックボード。すごくいっぱいあり、このキックボードは使っている人をいたるところでみます。車道じゃなくて普通に歩道を走っていく。スマホにアプリを入れておくとキックボードについているQRコードをスキャンして使えるようになっており、特に所定の位置に戻さなくてOK。放置されているのを朝早く車両が回収していくようです。私は時折ひどい筋肉痛になるので、そういう時は使おうと楽しみにしています。

 

小さい都市の良さ

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オスロは東京に比べてサイズも人口的にも小さい都市です。東京都の面積が622 km²なのに対して、オスロの面積は454 km²。人口も930万人に対して67万人しかいません。

ノルウェーの人は東京に比べて小さい首都でしょ?とちょっと恥ずかしそうに言ってきますが、そこがいいなぁと思っています。人も多すぎないし、中心街が電車で15分ぐらいいけばもう森、山、湖。

ノルウェーは天災も少ないのです。地震も台風もない。唯一気にすべきは土砂崩れと雪崩くらいだとか。

ノルウェーでは森の中のブルーベリーなどが取り放題で(私有林でも)、9月なので残り少なかったのですが、我々もとってきて、レアチーズクリームと一緒に食べています。野生のブルーベリーは甘くはないので、甘いものと一緒に食べるか、ジャムにしてしまうのがよさそうです。キノコもいっぱいあり、バスケット片手にキノコ狩りしている人たちもいっぱいいました。

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1点疑問なのが、標識が多人種な社会に全く対応していないこと。なぜだ。だって、本当にみんな英語を話せるんです。小学生も高学年であれば、ペラペラです(12歳くらいの女の子の英語が私より全然うまくてちょっとショックでした笑)。だから、看板や標識の下にちょこっと英語を書いてくれてもいいはずだし、トラムや電車の案内も英語でも話してくれればいいのですが、ノルウェー語のみ。そこが不思議でならない。。買い物が結構大変でございます。

そんなわけで11月くらいからノルウェー語のクラスをとります。もちろん、大学がお金を出してくれます。福利厚生的な面はとても手厚い。

東京も東京オリンピックなんてやってないで、縮小して地方活性化に協力すればいいのに。こういう環境で暮らしてしまうと、もう2度と東京では生活できない気がする。。

 

オスロ大学でポスドクはじめました

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はじめまして。2019年9月からオスロ大学の医学部でポスドクとして働き始めました。夫も一緒にオスロ生活スタートです。

移住してとりあえず現在のところ、大変な解放感を感じており、なんでこんなに、というぐらい気持ちがすっきりしました。こんなことなら早く脱日本するんだった。。

ノルウェーでは、男女平等の概念が非常に強く、夫婦共働きは当たり前。なので、私の上司が夫の就職先もツテを頼って探してくれています。

また、「女性らしく」「男性らしく」という感覚が本当になく、それが大変な解放感をもたらしているようです。ちょっとしたことだから、と日本にいるときは気にしないようにしていたのですが、女性らしくスカートをはき、会社に行くときは少しでもヒールがあるものをはくべき、リュックは女性らしくない、というような不文律が全くありません。私は日本でもペタンコ靴をはき、リュックを背負っていましたが、なんとなくアンチ社会通念的なプレッシャーを感じていました。なので、すごい解放感。こちらはスカート率めっちゃ低いです。ほとんどの人がズボンにスニーカー。

皆さんプライベート重視で、17時にはほとんどの人が帰ります。上下関係もなく、ボスも下の名前を呼び捨てです。ボスは全体を気遣える人が選ばれるシステムになっているらしく、うちのボスは来たとき、帰るときに全員の部屋に顔を出します。

…と、とりとめもなくなってきたので今日はこの辺で。頑張って継続します。

写真はオスロ中心街。海に近いところが中心街です。